「初めまして、こんにちは」
それが、可愛い彼女の口癖です。
にっこりと偽りの無い笑顔でそう言う彼女
その笑顔をみるたびに、胸がギュッと締め付けられる
彼女は、一日しか記憶が持たないのだ
毎日会って、手を握って
時間の許す限り、彼女の側に居る
どれだけ尽くそうが、どれだけ愛そうが、
明日になれば、彼女は全て忘れてしまうだろう
そして笑顔でこう言うのだ
「初めまして、こんにちは」
一通りの挨拶を交わした後、今日も彼女の手を握る
これから先ずっと自分は、
彼女の心に残ることすら出来ないのだろうか?
彼女の時間はあの日から止まったまま
突きつけられるつらい現実
それでも自分は、毎日彼女に会いに行く
・・・それぐらいしか、出来ることが思い付かなかった
「初めまして、こんにちは」
彼女は相変わらず笑顔
笑顔で手を握る
・・・自分は、上手く笑えているだろうか?
毎日が同じ事の繰り返しだ
とても悲しい
彼女がいない
自分がいない
彼女の心の中に、自分の居場所が無い
それでも構わない
自分の心の中には、確かに彼女が存在するから
「初めまして、こんにちは」
笑う彼女に挨拶をして、手を握る
いつもと同じ事
でも、今日はいつもと違う
「貴女に、お別れを言いに来ました」
「初対面なのに・・・?おかしな人ね」
少しおかしそうに微笑む彼女
・・・自分は明日、とても危険な賭けに出ます
生きて戻れるかわかりません
だから、今のうちに想いを告げておくのです
「貴女を、愛しています」
今日別れの挨拶をしても、きっと明日には忘れているでしょう
・・・それでいいのです
覚えていて辛い事は、忘れてしまうに限りますから
「たとえこの身が滅んだとしても、貴女をずっと愛しています」
だから早く、自分を忘れてくださいね?
不安げに揺れる彼女の瞳
安心させるようにいつもより少しだけ強く手を握ると、
聞こえないように、心の中だけでそう呟いた
「・・・・・・。」
なんだか今日は、不思議な夢を見た
顔の見えない誰かが隣にいて、ただ手を握って、
2人一緒に笑う夢
・・・あれは誰だろう?
あの、少しゴツゴツとした手の持ち主は・・・
「○○さーん、検診ですよー」
「・・・はーい、今行きますー」
看護士の人に名を呼ばれた
返事を返して、ベッドから立ち上がる
握られた自分の手
何か、物足りない気がする
・・・それは、一体何かしら?
「○○さん、早くしてくださーい!」
「はーい」
もう一度名前を呼ばれて
パタパタと病室を出る準備をする
そして、何事も無かったように『今日』が始まるのです
(血の涙を流していたのはどちらでしょう?)
(次は、幸せになれると良いですね)
とまあ、こんな感じ
最後は巨タイな
「彼」の事は覚えて無いけど、繋いでいた手の感覚はなんとなく覚えてたっていう話。
まだ誰で書きたいとかは決まってないけど、最終的に死ぬ人限定
というわけでいけるのは
・アーマーキング
・景清
・ジューダス
・飛竜(飛竜1限定)
・ローズ
・平家のみなさん
だよね(多分)
感じ的には飛竜が一番美味そうだ
次点はジューダスか?
源平組・・・は無いな。なんかそんなキャラじゃない気がするわ
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